つくば霞ケ浦りんりんロードの要に 土浦市、環境整備充実に本腰

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つくば霞ケ浦りんりんロードを生かした交流拠点が整備される「ラクスマリーナ」周辺地区

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開通式典後、つくば霞ケ浦りんりんロードを試走する中川清土浦市長、後ろは今泉文彦石岡市長

 総延長180キロに上るつくば霞ケ浦りんりんロードの整備が進んでいる。2017年度、土浦市は県、JRとともに、土浦駅ビル西口1階部分に新たなサイクルステーションを整備。併せて、駅東に広がる川口2丁目、ラクスマリーナ周辺をサイクリストらの交流拠点として、センター施設や緑地を整備、土浦港周辺交流拠点の具体化へ、いよいよ設計段階に入る。霞ケ浦(西浦)を周回する霞ケ浦自転車道と旧筑波鉄道の鉄路跡を利用したつくばりんりんロードを一体化、その結節点として、いわば同ロードの要の土浦市が、サイクリストの聖地に生まれ変わる。

駅ビル東西にサイクルステーション
 17年度、市が県、JRとともに取り組むのは、JR土浦駅ビルの西口側1階部分、約580平方メートルをリニューアルして設ける、レンタサイクル・販売スペース。

 手ぶらで訪れてサイクリングが楽しめるレンタサイクルや、自転車、部品、ウエアなどを販売するショップ、修理や組み立てにも利用できる作業スペースを整備し、併せて、観光や市のPR情報発信拠点としての機能も有するサイクルステーションだ。

 サイクリングを楽しむだけでなく、関連するショッピングや、土浦をはじめ沿道の観光情報、特産品など情報発信の場にもなる。西口側の人の流れ、中心市街地活性化の起爆剤の一つだ。

 地下1階(約380平方メートル)はシャワー付き更衣室、コインロッカー、レンタサイクルの保管スペースなどを設け、サイクリストへのサービス充実を目指す。事業費3億1700万円は県と市で負担を折半する。市は国の交付金を活用して負担軽減を図る方針だ。

 駅東側には既に運用しているサイクルステーションがあり、引き続き運用し、駅東西にサイクルステーションが整い、サイクリスト向けのサービス向上を図る。

ラクスマリーナ周辺に交流拠点
 一方、土浦港周辺交流拠点整備事業では、16年度に策定した土浦港周辺広域交流拠点基本計画に基づき、川口2丁目地区、現在のラクスマリーナ周辺の整備を本格化。経営破たんし撤退した開発事業者プロパストから10年に市が取得した用地の整備を本格化する。

 川口運動公園との連携も踏まえ、現在のラクスマリーナ入り口南側で、陸上競技場に面する一帯を、中核となる交流拠点ゾーン(1000平方メートル)とし、配置するセンター施設の設計委託に540万円を計上。同マリーナ北側をパークゾーンとして緑地の設計委託に1000万円投じる。

 同マリーナ周辺は、つくば霞ケ浦りんりんロードの中で、霞ケ浦自転車道とつくばりんりんロードの結節点にも当たり、サイクリストが利用できるサイクルセンターを中心に整備する。

 駐車場2カ所(100台、50台)も含め、霞ケ浦温泉を活用した温浴施設や、子どもたちの遊具も配し、親水、健康の広場として整備、霞ケ浦の眺望も楽しめる築山を築いた大芝生広場も整備する見通しだ。17年度に設計、18年度に着工する。

 工事はラクスマリーナへの現在のアクセス道路を付け替え、センター施設など交流拠点ゾーンの工事を進める(第1期)。その後、同マリーナ事務所の移設や、係留中の船舶などのレイアウトを変更(第2期)、大芝生広場や築山などパークゾーンの本格工事に入る(第3期)見通しだ。

 センター施設など交流拠点ゾーンの整備を先行させ、誘客も進めながら、周辺整備への民間の参入を促すのが施策のポイント。

 市は当初、長期にわたる財政難を見通し、官民連携による施設整備事業として市財政への負担軽減を図る考えだったが、将来的な集客見通しに懸念を示す民間事業者が相次いで現時点での参入を見送った。

 このため当面、市が公園、広場空間を先行整備することで誘客、集客効果を高め、開発圧力を増しながら民間の参入を促す。その参画意向に合わせ、各種施設整備を展開する方針だ。

県、沿線自治体と連携県南振興の柱、PR強化
 昨年11月25日、同ロードの桜川市―潮来市間の約81キロが完成し、土浦市川口運動公園(川口2丁目)で開通記念式典を開いた。潮来市と桜川市が自転車道で結ばれ、関東近郊にはない規模のサイクリングロードの完成だ。

 水郷潮来から霞ケ浦西岸を走り土浦市へ。そして旧筑波鉄道跡を北に向かい、JR水戸線の岩瀬駅までの約81キロ。霞ケ浦湖岸を渡る風や広がる景色、そして筑波山麓を走り抜ける、まさに湖と里山景観とがセットで楽しめるサイクリングコースだ。

 県が県南振興の大きな柱として力を入れているこの事業。開通式には橋本昌知事も参加。中川清土浦市長はじめ沿線の首長、議会関係者らも集まり、式典後、サイクリストのいでたちで、同公園近くのコースを試走するPR戦略も展開した。

 式典で橋本知事は、関東近郊にはない規模のコースの完成を誇りながら「サイクリングをはじめ、観光誘客にも大きな力になる。ぜひ、各沿線自治体で活性化に役立ててほしい」。

 中川土浦市長も「霞ケ浦周回も含め、計180キロの日本一の自転車道は初心者から上級者まで、幅広く楽しめる。全国はもとより、海外からも多くのサイクリストに訪ねてほしい」と述べ、県、沿線自治体と連携し、サイクリング環境整備を約束した。

 県は開通をはずみに、県、県観光物産協会の各ホームページを通じて、同ロードのPRを強化。霞ケ浦、筑波山を中心とした自然景観や、食の魅力などの情報発信をさらに強め、サイクリスト誘客に全力を挙げ始めた。四国のしまなみ海道をしのぐサイクリング環境づくりをさらに強力に進めようと、広域的な誘客力アップに力を注いでいる。

 土浦市も既に昨年5月、JR土浦駅東口にサイクルステーションを整備。

 JR土浦駅東口の階段下にあった観光物産情報センター・旧きらら館を改装し、約35平方メートルのスペースに更衣室3室、洗面台、コインロッカー、サイクルラック、空気入れを設置。監視カメラも配置して防犯対策も講じたほか、中心市街地でのレンタサイクルの充実など、利用しやすい環境整備に努めている。

 17年度、駅西口での整備が進むと駅東西で、サイクリングを中心に、観光情報発信の拠点として、広域周遊、市内巡りの各ルートなどの情報を提供しながらサイクリング観光をPRする。

ソフト事業も
 市は県とともに、既に16年度、国の地方総創生関係交付金(第3弾)加速化交付金、約6400万円を活用して、周辺12市と一体となった、乗り捨て可能な広域レンタサイクルシステムの構築に乗り出した。

 17年度はさらに、同システムの充実を図るほか、16年度に霞ケ浦遊覧観光も含めて実施した、サイクリング・アンド・クルーズ=サイクルーズ事業の充実を図り、サイクルイベントなども加味しながら霞ケ浦サイクルツーリズム事業に乗り出す。

 PR戦略の充実を図りながら、快適で安心安全なサイクリング環境の整備、充実が大きな柱だ。
(小石川哲也)